最近気がついたことがあります。ここ何年もの間、「為替ヘッジあり」とうたったファンド(投資信託)はハナから使い物にならないと考えてきましたが、そろそろ使えるようになったのではないか?ということです。
変額年金保険や確定拠出年金ばかりでなく、どうしても投資信託を単独で買いたい人も、今後は普通に「為替ヘッジあり」の海外もの投信を買ってもらってもよくなった可能性があります。
いきなりこう書いてもピンとくる人が少ないと思いますので、順を追って、また何回かに分けて丁寧に説明をしていきましょう。
まず、「為替ヘッジあり」とか「為替ヘッジなし」とは、いったい何のことで何がどう違うのか…話をここから始めます。
海外ものの株や債券から得られるリターンは、株や債券の値動きによる損益だけでなく為替の影響も受けます。
例えば昨年はこんな方もいらっしゃったでしょう。
「ゴールドが値上がりすると思って金ETFを買ったんだけど、予定通り金価格が上がったのに金ETFは逆に値下がりをしてしまった…」
このケースで足を引っ張っていたのがドル安による為替差損です。金は最終的にはドル建てです。よってドルが安くなれば円換算したETFの価格が下がってしまうわけですね。
昨年はこれと同じことが投資信託の世界で軒並み起こったために日本中が大騒ぎになりました。
売れに売れた投資信託…たとえば海外債券のグローバルソブリン、海外株のピクテグローバルインカムなども、この為替のイタズラ(欧米通貨の急落)で損失が加速しました。
結局、これらの投信がここまでボロボロに値下がりをしたのは、これらが「為替ヘッジなし」だったためなのです。
「為替ヘッジ」とは「為替リスクの回避」と言い換えてもよく、「為替ヘッジなし」とは「為替リスクを放置しました」という意味なのです。
グロソブが売れに売れて絶好調だったころ、コア研は全国版の株式新聞に「円高で損失が広がる」と警鐘をならす記事を書いたことがありましたが、それを読んで購入を見合わせた方がいらっしゃったら、多少は感謝をしていただけるでしょうか。
為替とは、株式に匹敵するほどのリスクがあるのだと知っておいていただきたいと思います。
この手の投信を単純に買って放置するということは、アセットの下落に対しても、為替のリスクに対して何も備えがないのだということを理解する必要があります。
「為替ヘッジ」とは、このように海外通貨が安くなることで本来の株や債券からのリターンが食われてしまったり、損失を倍化させないように「為替予約をすること」です。TOYOTAやSONYがやる為替予約と同じことだと思っていただいてもいいと思います。
ただ、この為替予約は無料で行えるものではありません。費用(コスト)がかかるのです。
投資信託においても「為替ヘッジあり」のものは、コストを負担した上で基準価格を算出していますから、値上がりする局面では「ヘッジなし」のものより運用成績が上がりません。
だから売る人が二の足を踏んでしまうため、巷に出回る本数も少ないという結果になっています。
さて、次回はそのコストのからくりについてやりましょう。
