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2008年の「年次改革要望書」
毎年10月ごろに米国政府が日本に提出する「年次改革要望書」というものをご存じでしょうか? これは1994年のクリントン時代から米国大使館を通じて提出を受けているもので、平たく言うと「米国の国益のために日本に要求する項目が列記された文書」です。そして恐ろしいことに、そこに書かれていることはことごとく日本で実施されてきました。
詳しくは書きません。検索をすればいくらでも正確な情報を得られますし、10/27にはフジテレビの「サキヨミ」でも報道してくれました(you tubeでも視聴可の模様)。
要望書に書かれたことで日本で実施されてきた改革をいくつか紹介しますと、確定拠出年金制度の導入、郵政民営化、建築基準法の改正(耐震偽装時)、携帯電話のナンバーポータビリティ制度の実施、労働者派遣法改正などが挙げられますが、いずれも日本社会に大きな影響をもたらすことばかり…というより、往年の重要な政治課題ばかりであったことに気が付きます。 これらはことごとく米国の国益(米国企業の利益)につながるものであり、必ずしも日本国民に利する政策ばかりではありません。例えば日本に対して最も大きなダメージを与えたのは(近年の報道で明らかなように)、労働者派遣法の改正でしょう。
そしてこの秋(10/15)に出された2008年版の要望書にはこんなことが書かれています。(一部抜粋) 1、確定拠出年金制度の拡大 2、クレジットスコア制度を導入 3、残留農薬検査の緩和 4、医療機器や新薬の規制緩和 等々
1の確定拠出年金についてはコア研に直接関連してくる項目です。ここでは「月額6万円までかけられるようにすること」、「公務員も加入できるようにすること」、「自らも掛け金を拠出できるようにすること」や「投資サポートビジネスを可能にすること」などが盛り込まれています。 確定拠出年金制度が「日本国民の資金が欧米のファンドに流れる仕組」となっていることは自明の理です。(郵政民営化も同じこと)。 これを受けてコア研は、無益に日本国民の資産が欧米に取られてしまわぬよう、確定拠出年金の投資モデルを無料で公表し続けることで社会に貢献していくつもりです。
2のクレジットスコアは、要は消費者金融に欧米の企業が参入するための準備と取れますし、3の残留農薬や、4の医療の規制緩和についても、米国の農家や医療関係の企業に便宜をはかったものと思われます。 おそらくこれらの懸案は、もれなく1〜2年のうちに具現化していくのでしょう。
これらのちょっと理不尽な事実を取り上げて、米国がどうだとか、日本の政治がどうだとか大騒ぎするつもりは毛頭ございません。 ただ、我々個人投資家は世の中の流れをつかんでおかなくてはなりませんから、この年次改革要望書が「今後の日本で起こること」をまとめたものだとすると、ここで取り上げることには非常に大きな意義があるということになります。
以下に金融サ−ビスに関連した部分を引用しておきます。(英語で記載された原文を仮翻訳したものとされています)
【米国大使館サイトより引用】
金融サービス
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I. 個別措置
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米国は日本政府の市場強化プラン、金融規制の質的向上プラン、そして幅広い金融サービスの分野において市場参加者と協働するための相応の取り組みを認めている。米国は、国際金融センターとなるために対策を講じる日本の目標を支持し、日本が以下の措置を講じることにより、金融サービス部門における規制改革の最近の進展を継続させることを求める。
I-A.大量保有の開示
米国は、5%以上の株式を保有する機関投資家に対する改正開示規則が、事業を支配することを求めずに売買しているポートフォリオ機関投資家に適用されることから、特に、義務付られた報告の回数を減らすこと、(技術的進歩などにより)管理負担を緩和すること、そして機密データや関連した投機的活動の漏出の範囲を減らすことに関して、日本がその見直しをすることを提言する。
I-B.信用情報機関
米国は、金融サービスのすべての部門を網羅する、消費者や中小企業の包括的な信用情報制度を設け、これを実施することにより、信用情報制度を近代化するための継続的な取り組みを要請する。この目的を達成するためには、包括的なすべての信用情報を収集し、またアクセスを提供することができる有効な規制の枠組みが必要である。そのような制度は、スコアリングのための信用情報の活用や、消費者や企業に信用を供与するためのスコアリングに基づいたリスク管理の活用を促すものとなる。その中には、あらかじめ決めておいた収入ベースの制限を超えて信用を供与する決定も含み、従って健全な信用の引き受けを促し、過剰融資を防ぎ、そして消費者福祉や信用市場の競争力を改善することも含まれる。
I-C.確定拠出年金
高齢者の収入、労働移動性、投資教育を確保するという観点から、確定拠出年金制度の重要性や改善の価値にかんがみ、米国は、日本が確定拠出年金制度の改善に継続して取り組むことを奨励する。具体的に米国は日本に以下の取り組みを行うよう提言する。
(1)確定給付年金の目標金額との間で見込まれる差と年金所得の代替率に基づき、非課税拠出限度額を月6万円まで引き上げる。
(2)被雇用者拠出を認める。
(3)特別な事由がある場合、60歳前の積立金への早期アクセスを認める。
(4)加入者への投資助言サービスを認める。
(5)公的部門の職員に確定拠出年金制度を導入する。
I-D.顧客情報の共有のためのオプトアウト
米国は、現在のファイアウォール規制緩和の下で、企業顧客向けの合理的なオプトアウト制限は、リスク管理、健全な商習慣および管理目的、権限のある上層部経営者、その他の適切な目的のために、関連会社間の幅広い顧客情報を共有することを、今もなお容認すべきであると提案する。企業顧客にオプトアウトする権利を通知する、実践的で効率的な方法を導入する必要がある。
I-E. オンライン金融サービス
米国は、金融庁の市場強化プランを歓迎し、そしてオンライン金融サービス分野の以下の項目について検討することを要請する。
I-E-1.
ノンバンクの決済プロバイダーが送金やオンライン決済などの為替取引に携われるようにするための為替取引の定義の修正。
I-E-2.
欧州連合や米国と同様の、オープンループの電子的ストアド・バリュー、もしくは電子マネーを促進するための規制枠組みの明確化。
I-E-3.
為替取引は銀行規制の適用を受け、銀行免許なしで簡単なピア・ツー・ピア決済の提供を禁止していると解釈できることから、プリペイドやストアド・バリューの監視のため国際的なベストプラクティスを検討する。
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II. 透明性
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II-A.
米国は、民間セクターと対話する金融庁の継続的な努力を認めており、また金融規制の質的向上に関しての定期的な経過報告の公表を評価している。定例化された話し合いは、意見の交換のためのひとつの基礎を提供するが、その一方で、公的な書面による解釈は不確実性を減らし、コンプライアンス(法令順守)を向上させ、金融サービス提供者の生産的イノベーションを可能にする。米国は、金融庁が、以下の取り組みを含め、ノーアクションレター制度(※下に補足説明)やその関連制度など、書面での解釈の効果を継続して高めることを奨励する。
II-A-1.
ノーアクションレター制度のさらなる積極的活用を推進するよう金融庁職員を促す。特に金融庁内部では定まっているが、公の解釈が得られない問題について、日本の法をどのように解釈すべきか、口頭でのアドバイスを求める企業にノーアクションレターで要請を受け入れることを示す。
II-A-2.
ノーアクションレター制度でカバーされない問題の解釈を利害関係者が求めることを可能にし、既存商品やサービスに関する法律や規則の明確化の要請を含む、法令解釈にかかる書面照会制度をさらに積極的に活用する。具体的に、米国は日本に対し、書面照会制度を使って、金融庁の担当官が口頭で非公式の照会を受けたり、誤解があるかもしれない問題について書面で解釈を提供すること、そしてノーアクションレターの要請を受け入れた、または拒否した両方の事例を公表することを提言する。
II-B.
正式な要請がなくても、日本の金融法の書面での解釈を提供する、その他の手段を確立する。
II-C.
透明で予測可能な規則の解釈や検査過程は、健全な金融市場の発展にとって、また一貫性、イノベーション、そして顧客と投資家の保護の間で適切なバランスを取るために重要なことである。米国は、金融庁が、個々の会社が会社特有の検査経験を開示することに神経質になるかもしれないことを認識して、検査過程に関連した懸念や改善の可能性がある事柄について、外国系金融機関や金融部門の業界団体と協議することを奨励する。
【米国大使館サイトより引用終わり】
※ノーアクションレター制度
この制度は民間事業者等が自ら行おうとする「具体的な行為」について、法令に基づく「不利益処分適用の可能性」、「許認可等の必要性と罰則の有無」、「届け出・登録・確認等の必要性と罰則の有無」などについて、あらかじめ行政機関に見解を求めることができるというもの。
要するに、海外企業が日本にビジネスを持ち込む際の手続きを簡素化するためのものと考えられます。
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