株式 ETF 確定拠出年金 システムトレードで財産形成 

 

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       ETFに関する大きな勘違い

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※このコラムは1/20に執筆し、発注元の業者様の了解を得て掲載するものです

【ETFに目が向き始めた】

 前回のコラム「百花繚乱のETF」で、筆者のETFに対する思い入れはお伝えしました。その後もETFの認知度はだんだんと上がってきましたし、上場する本数も出来高についても増加傾向にあるようです。でも実際のところ、ETFの真のメリットを理解して賢く使っている人はまだほんの一握りにすぎないように思います。

 ETFの使い方を理解している方ならば、それによって魔の2008年であっても損失を防ぐことに成功したでしょうし、あるいは逆に運用成績をプラスにもっていくことも可能だったはずです。
 でもそんな話はどこからも聞こえてきません。聞こえてくるのは「せっかくの退職金をいきなり3割減らしてしまった」「4割やられたところで解約をした」そんな話ばかりです。


【ETFのメリットはソコじゃない】

 雑誌のETFについての紹介記事やウェブサイトの書き込みを見ていますと、「ETFのメリット」として挙げられているのは、ほとんどが次の一点です。

    ETFは運用コスト(信託報酬)が安いので、長期投資に向いている

 …まあ、間違いだとは申しません。投資信託(含インデックスファンド)よりは、たしかに信託報酬は安いです。でも他の投信と比較して、このコストの安さによって享受できるメリットはいったい年間で何%でしょうか?

 例えば日経平均株価に連動するようなインデックスファンドの信託報酬はだいたい0.5%強です。対して同ジャンルのETFは0.2%程度ですから、比較するとたしかに安いのですが、その差は0.3%にすぎません。
 2008年のようにこれらの基準価格が半額(▲50%)になった時に、0.3%分のコストが高いとか安いとかの議論には非常に空しいものを感じます。

 筆者が前回のコラムで言及したのは、ETFを使うことによって、▲50%そのものを回避することだってできる…そういうことだったはずです。


【ETFのメリットの再確認】

 ここで今一度、筆者の考えるETFの真のメリットを箇条書きにいたします。
  • マーケットの値下がり時に機動的に資金を退避させることができる
 一般的な投資信託を保有すると、次に買い直す時に販売手数料がかかるため、マーケットにリスクを感じても「心理的に資金を退避させることが難しく」なります。その点ETFでは売り買いにほとんどコストがかからないため、気軽に資金を現金に戻したり、またETFを買い直したりすることができるのです。
  • マーケットの値下がり時にも利益を追求できる
 ETFを信用口座で空売りをすると、基準価格が下がることによって利益を手にすることができます。よって長期保有目的の投資信託やや株式が値下がりをしてしまう場面でも、それらの値下がり損をETFで補うことができるのです。 (空売りは簡単ですし、使い方を間違わなければまったく危なくありません。)

 お気づきのように、上の例はいずれも「マーケットの値下がり時」の話です。このようにETFが力を発揮するのは「値下がり時」なのです。

 マーケットが値上がりをする時は誰でも利益を得られるものです。たとえば日本株式で運用をする場合、日経平均株価が値上がりをすれば一般的な株式投信でも、インデックスファンドでも、もちろんETFでも値上がりをしますし、リターンに大きな開きが出ることもありません。
 運用成績に差がつくのは、値下がりする時にどんな対応ができたか…これにつきるのです。その値下がり局面で強みを発揮するのがこのETFというわけです。


【ETFの意外な問題点】

 前回のコラムで、ETFは「空売りができる投資信託だ」と強調いたしました。しかしどんなケースでも…もしくはどんな額でも空売りが可能なのかというと、自由にならないこともあります。この事実についてはご存じない方も多いと思われますので、(少々専門的な話にはなりますが)ここに書き記しておこうと思います。

 現在の証券取引所には「空売り規制」というものが存在します。これは大口の投資家が特定の企業の株式を集中的に売りつぶして、空売りによる利益を狙う行為を防ぐための規制で、一般の投資家にはとってもありがたいルールです。
 しかしこの空売り規制では、取引の最低単位(単元株…例えばソニーならば100株)の50倍までの空売りしか認められないとされており、この単元株が1株などに設定されている銘柄は最大で50株までしか空売りをすることができないのです。
 そしてまさに、日経平均株価に連動するETFの中で最も出来高の多い「日経225連動型上場投資信託(大証1321)」の単元口数(株数)が1口であるために、今の株価水準だとせいぜい4〜50万円分しか売り建てることができないのです。これでは、例えば500万円もの投資信託を保有している方にとっては役不足ですよね。
 
 しかし昨今ではETFの種類が増えてきたために、代用が可能なETFが存在する場合があります。先ほどの225連動型でいえば、証券番号1320の「ダイワ上場投信・日経225」であれば単元口数が10口。よって500口まで空売りが許されるので、金額ベースでも4〜500万円分の空売りをすることが可能となります。
 
 日経平均株価ではなく、東証株価指数(TOPIX)にこだわる方もいらっしゃいますが、このTOPIX連動型のETFも全く状況は同じで、出来高の多い「TOPIX連動型上場投資信託(1306)」の単元口数は1口ですが、「ダイワ上場投信・トピックス(1305)」だとやはり10口ですので、数百万円分の空売りポジションを持つことが可能です。


【賢明な投資家になろう】

 このようにETFの環境も整い始めてきました。あとは使う側がそれを上手に使いこなせるかどうか、また人より早くそれを自らの手足とできるかどうかが重要な点となるでしょう。

 最後にひとつだけ大事なことをお伝えしておこうと思います。これは、筆者の知り合いで尊敬しているFPの方がおっしゃったことです。
 「投資の世界で実際に大きな利益を手にできるのは少数の人です。その人はたいてい人とは違うやり方で投資をしています。それはマーケットというのが、決して一般大衆が思った方向には動かないものだと彼が知っているからです。」

人の行く裏に道あり花の山…こんな格言が最近は心に沁みます。


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